企業再生の礎作れるか!?〜DD上の留意点
?.企業再生におけるDDの目的
企業再生におけるDDにおいては利害関係者が多いことが特徴的であり、以下の目的のために実施される。
まず、債権者にとっては
- 事業再生の可否
- 金融支援の程度を判断するため
また、債務者にとっては
- 自社の財務状態の把握しスポンサーなしで自力再生可能か判断するため
- 再生計画作成の前提としての準備のため
?.目標
概ね以下の点がDDの目標として挙げられます。
1.実態純資産の把握
2.正常収益力の把握
3.過剰債務状況の把握
4.資金繰り状況の把握
5.窮境原因の把握
6.金融債権の保全状況の把握
7.清算配当率の把握
8.税務上使用可能な欠損金の把握
?.各目標についての補足
1.実態純資産の把握について
調整事項として、以下の2点が挙げられます。
・財務会計上の修正事項の集計
・含み損益の調整
2.正常収益力の把握について
正常収益力を把握する目的は以下の2点が挙げられます。
- 事業再生の可能性の見極め
- 事業再生計画作成の際に必要な情報を入手すること
具体的にどのような調整を行うかというと、
営業利益に実態純資産の調整(上記1)を加味し、営業外損益及び特別損益のうち売上原価又は販売費及び一般管理費で表示すべきものを補正します。
5.窮境原因の把握について
窮境原因の把握は以下の2点を目的に行われます。
一つは経営責任の明確化にあります。特に経営者が会社の債務に対して個人保証をしている場合、責任の程度により保証解除の是非を考慮すべきです。
もう一つは二次倒産の回避が挙げられます。窮境原因をDDにより明らかにすることで、その除去可能性についても検討します。
8.税務上使用可能な欠損金の把握
税務上の欠損金が会計上の実質債務超過額を下回る場合、税務上の欠損金を超えての債務免除はできないため、債務免除を実施しても実質債務超過が解消しないことになります。
以上、ご意見・ご指摘等がございましたら、お待ちしております。