退職給付引当金の企業価値に及ぼす影響は?

引き続き退職給付引当金企業価値評価上のポイントを
まとめてみたいと思います。

ポイントは大きく分けて2つ。
1.退職給付債務が過小計上になっていないか。
2.制度統合に関わる課題、問題点はないか。

検討事項は以下の4点が挙げられる。
1.退職給付制度の理解
2.会計方針の把握
3.基礎率の検討
4.積立状況の検討(年金資産の時価及び基金の財政計算報告書)

1.退職給付制度の理解、2.会計方針の把握
・外部確定拠出型の場合、制度を引き継げるスキームなのかをまず検討する。
・分離後の退職者へ割増退職金を払うのかどうか、買い手が負担する契約はないかを確認する。
・複数事業主制度を対象会社が採用している場合にはどのような比率で年金資産を計算しているか、及び当年金制度への加入が存続できるかを確認する。

3.基礎率の検討
・年金数理計算書を入手して、特に「割引率」と「期待運用収益率」は恣意性が介入しやすいので決定方法を慎重に検討する。特に割引料は企業ごとに差が生じにくい性質があるので、他社の有報で確認することもできる。

4.積立状況の検討
未認識会計基準変更時差異、過去勤務債務、数理計算上の差異は純資産調整に反映させる。

以上、ご意見ご指摘等ありましたらお待ちしております。