会社法における会社分割の対象

経営財務より配信されるPCメールにありました、太田先生の記事より「なるほど!」と思った部分を備忘記録しておこうと思います。

 会社分割で承継させる対象は、従来、承継する営業と有機的一体性のない財産の移転は除外されていました。しかし、会社法にかわってから、移転する事業のなかに、その事業と無関係である財産が含まれていたとしても除外する必要がなくなり、含めたまま移転することが可能になりました。

 また、貸付金や不動産などの個別の財産を会社分割により移転することもできると解釈されております。ただし、遊休資産のみを会社分割により移転することはできないと解釈されます。

 さらに、企業組織再編税制上の取り扱いと関連して、個別の資産のみを移転させる場合には文言とおり解釈すると、適格組織再編の要件を満たすことができません(3つの適格要件を思い出してくださいね)。
 とすると、会社分割によらず個別の資産を親子会社間で譲渡する場合、譲渡益の認識が必要となってしまいます。
 しかし、100%親子会社間では対価が株式である場合には譲渡益を認識しなくてよいこととなっています。
 ということは、経済的実質が同じ事象について結論が変わってしまいます(会社分割を用いるか用いないかにより)。
 この問題点について、国税庁では消費税の取り扱いについて、「それ自体が事業としての内容を備えているものは事業用資産と異なる「事業」である」としているため、この考え方に合致する場合、適格要件が充足されると考える方がよろしいでしょう。

 以上、ご意見等ありましたらよろしくお願いします。