個人消費回復の主役!?〜クレジットカード業界の特徴は!?

最近になって、株価もだいぶ持ち直してきているクレジットカード業界について、特徴と着眼点について簡単にまとめてみます。

?.クレジットカード業界の儲け
 クレジットカード業界の儲けは「加盟店手数料」と「顧客手数料」に分けられます。
そのうち、顧客手数料については以下の計算方法があります。

  • アドオン方式
  • 残債方式
  • リボルディング方式

 上記のうち、リボルディング方式はもうみなさんおなじみかと思いますので、「アドオン方式」と「残債方式」について補足します。

「アドオン方式」・・・返済を続けて与信額が減っていても、ずっと「当初元本×アドオン利率」で利息を計算する方法。つまり、実質金利はアドオン利率より高くなることになります。
消費者金融の広告を注意深く見ると、「*実質金利は〜%です」と断りが書いてあるので、アドオン利率を実質金利に差があることは分かると思います。

「残債方式」・・・「残存元本×実質金利」で計算する、通常の利息計算方法。

?.クレジットカード会社の着眼点
 クレジットカード会社を評価したり、銘柄選択する場合の着眼点は以下の点が挙げられると思います。

1.貸倒引当金の設定状況
 設定状況を検討する際には下記の点が重要になることが多いと思います。

  • 引当金対象となっている債権の範囲

  • システム管理の方法

2.グレーゾーン金利撤廃の影響
 従来の金利水準ごとの残高割合により、各社影響は変わってきますが、ここ数年間は収益性に大きな影響を与える点だと思います。

3.収益構造(事業別の割合等)
 通常、クレジット会社はカード事業(=総合あっせん事業)、キャッシング事業(融資事業)が大きな割合を占めているため、この分野の成長性が今後の会社の成長に大きく影響を与えるでしょう。
 なお、有報では営業収益ではなく取扱高に着目したほうが実態に近いイメージが得られると思います。

4.システム投資
 クレジットカード業界は多くの個人情報を扱うことから、大規模なシステムが必要とされている業界です。営業力強化のためにはCDやATM等の設置も必要となり、多額のシステム投資が必要とされることから、投資計画については十分な検討を行わなければなりません。

5.オフバランス取引
 クレジットカード業界は直接お金を扱う業種でもあり、多くの資金需要が見込まれます。そのため、各社債権の流動化等の様々な資金調達方法を利用しており、その結果、多額の資産がオフバランスになっている可能性があります。

以上、ご意見、ご指摘等ございましたら、ご一報お願いします。