震災関連費用の会計・税務上の取扱い

●会計上の震災関連費用の取扱い
以下、引用です。

 

今回の東北地方太平洋沖地震の発生により、企業によっては資産の滅失、損傷、
震災関連費用など一定の損失や費用が発生した企業が多かったことはいうまでも
ありません。
 会計上は、損失額を確定できるものは損失計上を行い、また、確定していない
ものであっても金額を合理的に見積もることができるものについては引当金の計
による費用計上を行うことが考えられます。
 ただし、今回は3月決算の直前というタイミングもあり、金額の合理的な見積りができないものも少なからず生じ得ると思われます。それについては状況等について一定の注記を行うことになると考えられます。
 (注)本執筆時点では、日本公認会計士協会の実務指針は出ていませんが、その内容をご確認ください。


 今決算では、できる範囲で企業の保有する資産に生じた損失額、震災関連費用
の発生額などを総合的に確認する必要があると考えられます。
 また、損失の計上の問題とは別に、他の会計処理を行うに際しての会計上の見
積り(
減損会計、資産除去債務、税効果会計の見積りなど)に今回の震災の影響
を適切に反映しなければならない場面が生じるものと考えられます。

●税務上の取扱い
また、税務上の取り扱いについては、以下の引用をご参照ください。 
 

固定資産等で損壊したもの、損傷したものについての除却損、廃棄損の計上、
あるいは評価損の計上、費用でも債務が確定しているようなものについての損金
算入などは、原則どおり当然に認められると考えられますが、次のように大震災
特有の特例的な取扱い
が出される可能性が十分あります。

 過去に、阪神・淡路大震災のときに被災した法人について、平成7年2月27日
付で課法2-1他「阪神・淡路大震災に関する諸費用の法人税の取扱いについて」と
いう個別通達が公表されましたが、被災事業年度において、震災のあった日から
1年以内に支出することが見込まれる被災資産に係る修繕費用等をあらかじめ見
積もり、災害損失特別勘定として経理し、損金に算入することを認めるとともに、
その金額を災害損失金(青色申告書を提出しなかつた事業年度の災害による損失
金の(7年間)繰越し)に含めるものとされていました。東北地方太平洋沖地震
についても、何らかの特例的な取扱いが今後出される可能性が高いと思われます
ので、今後の動向に留意しておく必要があると思われます。