上場廃止基準って何のためにあるの?

上場廃止基準には以下の数値基準が設けられています。

  • 株式数
  • 少数特定者持株比率(大株主上位10名及び役員の保有する株式や取得した自己株式の割合が一定以下であることが求められる)
  • 株主数
  • 時価総額
  • 売買高

また、下記の場合に該当し、かつその影響が重大であると取引所が認めた場合にも上場が廃止されることがあります。

  • 債務超過が一年以上継続している場合
  • 銀行取引停止など経営破綻に至った場合
  • 有価証券報告書等に虚偽記載を行った場合が重大であると取引所が認めた場合



上場廃止になった株式は換金するのが困難になるため、上場廃止株式の現在の株主は多大な影響を蒙ります。

一方、上記の条件を満たす株式は、流動性が下がり、公正な価格形成が難しいため、相場操縦など不公正な取引の対象となりやすく、一般投資家の市場に対する信頼を損なう結果につながりかねません。
そのため、現在のシステムは、換金の場を失う現在の株主の負担で、将来の株主となる投資家を守る仕組みとも言えます。

また、重大な影響を及ぼす虚偽記載を行った会社の株式が上場廃止となるのは、同じことを繰り返して投資家に被害が及ぶことを防ぐとともに、投資家の信頼を裏切る行為に対して、市場からの資金調達の途を断つという制裁的な意味合いもあります。

以上、短いですがご意見・ご指摘等がございましたら、お待ちしております。